昔好きだったものをふと思い出す瞬間がある。
例えば本だ。
「燃えよ剣」がとても好きだった。表紙がボロボロになるまで読んだものだ。序盤のなんでもない場面だが、沖田総司が土方歳三に文句を言っていた「よかぁねえよ、泥亀流だよ」はとても印象に残っている。
例えば音楽だ。
NOKKOの「人魚」を初めて聞いたとき、なんとも言えない感動に襲われた。ラジオで聞いたのでなんの曲か分からず、必死に調べたものだった。歌っている姿を見たとき、凄みを感じた。鬼気迫る歌い姿だった。
なんでもないときにふっと思い出して、もう一度触れたくなって、探し求める。
前に「人魚」を調べたときはSpotifyになかったのだが、知らないうちに追加されていて嬉しくなった。
そんなことをこの5年ぐらい定期的に繰り返している。
こういうとき、大体が現状になにか問題を抱えているのだ。
今回は私自身が忙しすぎるせいだろう。仕事と人間関係が大変になっているのが原因だ。
趣味もあまりできていない。
過去に逃げるのではなく今を全力で生きなければならない。
今を輝くからこそ過去が美しいものになる。